凉天満宮(すずみてんまんぐう)は、国道211号線沿いにある神社です。国道を挟んだ反対側には、マックスバリュー上の原店があります。
境内には、当時は凉み松という名前の付いた松の木があったそうでして、旅人にまつわる言い伝えが残されていました。その松は、凉天満宮の名前の由来になっているそうです。
神社のすぐ前の道は長崎街道でして、当時の旅人は黒崎宿を出てからダラダラと続く坂道を上がったところにある凉天満宮で一休みしていたのでしょう。
本記事では、凉天満宮の見どころなどをご紹介しております。
最新参拝日:2024年9月下旬
凉天満宮の御祭神や由緒など
凉天満宮の御祭神やご由緒などについてご紹介します。
御祭神
現地案内板によりますと、凉天満宮には以下の主祭神が鎮座しています。
名称 | 読み方 |
---|---|
菅原道真公 | スガワラノミチザネコウ |
相殿神として、以下の4柱も祀られています。
名称 | 読み方 |
---|---|
神日本磐余彦命 | カムヤマトイワレヒコノスメラミコト |
蛭子大神 | ヒルコノオオカミ |
稲荷大神 | イナリオオカミ |
貴船大神 | キフネオオカミ |
神日本磐余彦命は、神武天皇です。
蛭子大神は、えびす様です。
凉天満宮の由緒
凉天満宮の境内にありましたご由緒書きに、以下のお話が紹介されていました。
當社は管公由縁の地にて御手植松を夢想の松又は涼の松と稱し御徳をしたい延喜三年道真公薨去後社殿を建立神霊を招請す。
凉天満宮の境内のご由緒書きより引用
(中略)
元文延享寛延天保明治の各年中社殿の改修築行ふ。往時より学問の神として近郷の尊崇厚く諸大名の参拝の記録有り。凉天神一夜の夜市とて直方多賀神社、岩瀬祇園社と共に此地方三大祭の一として今日に及ぶ。
相殿神日本磐余彦命は上の原の氏神にて昭和二十七年合祀。蛭子大神、稲荷大神、貴船大神も前後して上の原在より合祀す。

ご由緒によりますと、ここに社殿が最初に建立されたのは10世紀の初頭でして、江戸時代には4度改修を行っているそうです。
また、直方多賀神社と岩瀬祇園社(現在は須賀神社)と共に、この地方の三大祭として数えられているお祭りが凉天満宮で行われていたようです。
直方の多賀神社は、JR直方駅から500mほどの場所にありますとても大きな神社ですね。そこと肩を並べるほどのお祭りが行われていたというのは、とても驚きました。
凉天満宮のご案内
神社の境内をご紹介していきます。
本殿・拝殿
凉天満宮の拝殿です。

本殿です。

大棟の赤が、とてもキレイですね。
お社全体です。

鳥居
鳥居は、境内に1基ありました。両脇に、1組の灯籠が並んでいます。

柱に、「天明七」(その下は読めない)とありました。この鳥居は、江戸時代中期に建てられたと思われます。

由緒書きには正徳年中に建てられ、損壊後天明年中に再建と記載がありました。
狛犬
狛犬は、見当たりませんでした。
社務所
境内の端の方に倉庫らしき建物はありましたが、社務所は見当たりませんでした。
その他の見どころ
その他、境内にあります史跡や気になったところについてご紹介します。
かね懸けの松
江戸時代中期のある年に、長崎の熊部新治郎という人が京都に行く途中でここで休憩したそうです。その際に、境内の松の枝にお金の入った荷物を掛けたまま出発してしまいました。
翌年に帰郷した際に再度ここに立ち寄ったところ、荷物はそのまま残っていました。
神様への感謝のしるしとして、石鳥居を寄進したそうです。
このことから、境内にあった松の木はかね懸けの松と呼ばれるようになりました。
当時はどのくらいか分かりませんが、現代で一般的な石鳥居を建てる場合、聞いた話によりますと数百万以上するようです。熊部新治郎さんは、豪商の生まれだったのかもしれませんね。
境内のご由緒書きに「かね懸けの松」の言い伝えが掲載されていましたが、神社の入り口付近にありました案内板の方にも記載がありました。

鳥居の脇の石柱など
凉天満宮の鳥居の脇に、壊れた石柱や台座などが積んでありました。

もしかしたら、石柱に寄進者の名が刻まれているかもしれませんので、再訪した際に確認してみようと思います。
境内に狛犬が見当たりませんでしたが、もしかしたらここにあった台座は狛犬を祀っていたものかもしれません。たんなる想像に過ぎませんが。
凉天満宮の情報
名称 | 凉天満宮 |
---|---|
読み方 | スズミテンマングウ |
場所 | 北九州市八幡西区上の原1丁目 |
種類 | 神社 |
見学時間 | いつでも |
料金 | 無し |
指定 | 無し |
駐車場 | 神社専用駐車場有り |
アクセス | マックスバリュー上の原店から約200m(約3分) |
アクセス(車) | 北九州都市高速黒崎口を出て「都市高速黒崎入口」交差点から 車で3分(1.3km) |
アクセス(公共) | 西鉄バス「上の原」から約10m(徒歩約1分)※目の前 筑豊電鉄「永犬丸」から約2.2km(徒歩約33分) |
備考 |
地図
赤い★のところが、駐車場出入口です。
おわりに
お参りは、広めの駐車場がありますので、お車がおすすめです。
公共機関をご利用になる場合は、西鉄バスの停留所が目の前にありますので一番楽ですね。
以前、長崎街道を走破するため自転車で走っているときに一度立ち寄ったことがあるのですが、その時はお参りしただけで周辺はスルーしていました。
その後、他の用事で近くまで来た際に、再訪しました。
かね懸けの松の言い伝えやご由緒など、凉天満宮のことを深く知れて良かったです。
鳥居の脇にありました石柱や台座などが気になりますので、またいつかお参りに行こうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
(参考資料)
名称 | リンク |
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現地案内板 |
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