主な移動手段が徒歩だった時代の人々は、遠方への出向く際は街道と呼ばれる公道を利用していました。
街道といえば本州の東海道や中山道などが有名ですね。江戸時代に五街道と呼ばれていた幕府管轄の街道です。
五街道以外にも、全国には脇往還(脇街道)と呼ばれる主に諸藩が維持管理した街道があります。
長崎街道は、九州にある脇往還のひとつでして、重要な拠点である長崎と江戸を結ぶルート上にある道路ということでとても重要視されていました。
私の地元である北九州にも長崎街道のなごりが数多く残されていまして、歴史好きの私としましてはその全部にふれたいと思い、それなら端から端まで自転車で走ってしまおうと考えたのが本記事を書き始めたキッカケです。
小倉の常盤橋からの道中をご紹介しております。
お時間のあるときにでもお読みいただければ幸いです。
長崎街道 ポタリング地図
本サイト「ベロめも」では、ルートを管理するツールとしてGoogleマップを利用しています。
事前に調査したルートをGoogleマップのマイマップ機能で作成します。
ストリートビューを使って事前に行う現地の状況確認も欠かせません。道端に写っている石碑など見つけたら、当日確認するためにマイマップ上に印を付けます。
走行中は、スマホでマイマップを確認しながら、事前にチェックしていたポイントに寄ったりしています。
また帰宅後には、その日に走行した実ルートを作成します。
下の地図は、私が作成したGoogleマップのマイマップを公開用に再編集したものです。
これが長崎街道の本ルートだ!というものではありませんので、参考程度にご利用いただければと思います。
長崎街道 旅日記 走行ルートの詳細解説
ここからは、次の宿場町までを一区切りとした解説記事の目次を掲載させていただきます。
全ルートを1つの記事に書いてしまいますと、相当なボリュームになってしまうことが予想されるためです。
お手数ですが、以下のリンクからお読みになりたい記事へお進みください。
長崎街道の道中のルール
長崎街道の端から端まで自転車で走破した!と言いたいので、以下のルールを設定しました。
- 1日で走れるところまで走ったら、次また時間のある日に出直して走る
- 前回の到達地点をその日のスタート地点とする
- 毎回スタートする方向は小倉から長崎方面(下り方面)とする
- 常に自転車と一緒に移動する(乗車できない場合は押す、担ぐもあり)
- 参考資料(本記事最後に掲載)を基に、事前に念入りに調査して、可能な限り本ルートに近い場所を走行する
- 参考資料ごとにルートが異なる場合はどのルートを走行したか明記するように心がける
- 可能な限り現地の生の情報を収集するようにする
4番目は、自転車で走ることをご紹介する本サイト「ベロめも」としては一番重要なポイントです。

5番目は、史跡巡りが好きなものとしてのこだわりがあります。なんとなく長崎街道的な道を走破、では嫌なので。
7番目は、最も重視しているポイントです。現地の史跡などは時の流れで変化していくものです。災害で消失したり、逆に手厚く保護されるようになったり。参考資料に掲載されている内容からの変化なども余すことなく掲載していきたいです。

使用している自転車
街道歩きや史跡巡りをしていますと、目的の場所以外でスゴイ史跡などを見つけることがたまにあります。また、それが街道歩きや史跡巡りの醍醐味だったりしませんか?
でも車を利用してしまいますと、その可能性はほぼ無くなってしまいます。
徒歩も良いと思うのですが、行ける範囲が限られてしまうんですよね。
やはり自転車が最強だと思います。
私は、車に手軽に積めるし、輪行もしやすい折りたたみ自転車を選びました。
自転車を選ぶ際に重視したポイントは以下のとおりです。
- 20インチ(小径車)
- 本体重量12kg以下
- 信頼できる有名ブランド
- フロントギアの歯数50~52程度
- 8段変速程度
- 利用者のことを考えた折りたたみ方
- 好きなカラー(ブルー系)がある
- 10万円以下
選んだ自転車は、Tern(ターン)のVerge N8です。Ternは折りたたみ自転車をメインで製造販売しているメーカーです。
上のポイントで妥協することなく選んだ結果、この自転車がヒットしました。他にも数台候補はあったのですが、最終的にTernに決めました。
もう1年以上乗っていますが、不満な点は全くありません。
まとめ
長崎街道巡りは、2023年10月31日に常盤橋から長崎まで走破することができました!
出発したのが2019年6月下旬ですから、約4年半かかったことになりますね。
コロナなどの影響で数年間中断していましたので、結構かかってしまいました。
思い返すと、様々な思い出がよみがえってきます。
特に、道中で出会った多くの方に感謝いたします。本当にありがとうございました!
最後までやり切れたのが皆さんのお陰ということは、紛れもない事実です。
散策中にお見かけした地元の方々に突然声をかけてお話を伺うことも多々あったのですが、嫌な顔をされることは一度もありませんでした。
長崎街道沿いの方々は、皆さん親切な方が多い証拠ですね。
あと、長崎に着いた後、これまでの写真を見ていて気付いたのですが、撮った写真は史跡や周辺の風景などばかりで、一番大事な「道」の写真がかなり少なかったんですよね。
長崎街道の紹介なのに、これではダメダメです。
ですので、またいつか再挑戦するかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました!
(参考文献)
(1) 長崎街道 伊能図で甦る古の夢 著:河島 悦子
(2) 伊能大図による「筑前の長崎街道」の追跡 著:松尾 昌英
(3) 長崎街道 大里・小倉と筑前六宿内宿通り底井野往還 九州文化図録選書
(4) 長崎街道 肥前佐賀路 (九州文化図録撰書)
(5) 長崎街道 肥前長崎路と浜道・多良海道 (九州文化図録撰書)
コメント
歴史と音楽が好きです。楽器もなんですが、こうして記事を読ませていただくと、自転車もまるでタイムマシンですね!あたたかくなると旅に出かけたくなります。そうだ、天草コレジオ館ヘ行かなくては。こちらのルートで長崎街道を辿り、できれば天草まで行ってみたいと思います😊
Gaucheさん
コメントいただきありがとうございます!
「自転車もまるでタイムマシン」はステキな表現ですね!
私は長崎街道を巡る目的のひとつとして、これまで街道を歩かれた方々と同じ空間で同じ体験をしたいということがあります。
同じ道を踏みしめ、同じ山や海や川などの景色を眺め、同じ森で木や草花の匂いをかぎ小鳥の声を聴き、などなど。
それを実現させてくれた自転車は、まさにタイムマシンですね。
個人的に天草は、絶対に行きたいスポットのひとつです。
道中お気をつけてください。
ベロめも管理人
街道をゆくために20インチ折りたたみルノーマッハ8を購入し、さっそくスタートしました。常盤橋で祇園祭の催事に遭遇、途中あちこちの案内板を読みながら、とりあえず木屋瀬資料館まで。銀杏屋茶屋では、二階に上がり案内の方から詳しく説明を伺いました。ロード自転車では輪行がかさばるし歩道を走れませんが、小径車はせまい道や石段歩きも行けるし、気兼ねなく輪行できて便利、折りたたみ自転車で正解でした。この先、長崎までの旅が楽しみです!
Gaucheさん
スタートされたとのこと、おめでとうございます!
Gaucheさんのおっしゃるとおり、小径車は街道巡りに最適だと思います。
ルノーの小径車は、欲しい自転車の候補でした。超軽量さはすごいですよね。
長崎街道は峠越えがありますので、自転車を担いで登ることが結構あります。
ですので、軽さは武器だと思います。
最初の難所は冷水峠でしょう。
登りで何か所か担ぐ必要のある場所がありますが、ほぼ手押しで行けると思います。
下りの道は国道200号(途中から脇道に入りますが)を進むことになりますが、ところどころに街道の面影が残っている場所がありますので、寄り道しながらノンビリ下ると良いかもしれません。
国道200号を進む際は、くれぐれも車にお気を付けください。
ご無事をお祈りしております。
ベロめも管理人
こんにちは。先日、2回目木屋瀬から原田駅まで行きました。冷水峠はたしかに、これからチャレンジされる方のお楽しみ。まちがいなく、いい思い出になりますね。
先週3回目、ロードの友人とブロンプトンの友人と一緒に3人で原田駅をスタート、武雄の手前でいったん走了して、別ルート塩田町へ。宿場町で遊び、和泉式部公園で式部さんの銅像にご挨拶して、夕方になったのでJRで帰りました。一人旅もいいですが、仲間と一緒もいいです。途中で迷ったり、思いかけずうまい小食堂を見つけたり、あれこれ見つけるるたびに立ち止まって写真撮ったり、わいわいはしゃいで、楽しいです。佐賀市もよかったですね。車でなくて、自転車や歩きで長崎街道を行くと、思いがけないものがたくさんあります。歩き旅らしきリュック姿の人も一人見かけました。小径車は輪行旅に便利ですが、持ってない人も多いです。ヨーロッパのように自転車をそのまま電車内に載せられるようになればいいですね。私だけでなく、多くの自転車人が日本中あちこち旅行に行くようになり、地方の観光がにぎわうだろうと思います。
さて来月、いよいよ最終回、同じ仲間といっしょに武雄の手前から長崎へ、です。楽しみ!
Gaucheさん
コメントありがとうございます!
ルノーマッハ8は絶好調のようですね。
武雄の手前まで到達されましたか。
ざっくりですが、残り1/3というところでしょうか。
武雄の先は、国道35号線から外れた先にある貯水池の奥に、早速ちょっとした難所があります。
嬉野宿の手前にも、ちょっとした探検気分を味わえる道があります。
嬉野宿の先の轟木の滝から彼杵宿までの間にも、いくつかワクワクできる道が待っています。
その先の大村湾沿いの長崎街道は、また行きたい道のひとつですね。
彼杵宿から大村宿までは国道34号近辺が長崎街道ですが、国道脇を走るのは3割くらいで、そのほかは国道からちょっと外れた街道筋を進みます。
ぜひご自身の大村湾の絶景ポイントを見つけてみてください。当時の旅人も、きっと同じ景色を観ていたはずです。
その先に待っていますタイムスリップポイントは、鈴田峠、井樋尾峠、日見峠ですね。
今の時期、鈴田峠のある山中はイノシシが怖いかもしれません。
日見峠を越えたら、ゴールは目の前です。
ここに書いたのは、お伝えしたいポイントのほんの一部です。
Gaucheさんがおっしゃっているように、思いがけないものがたくさんありました。
旅の途中でお見かけした現地の方に突然お話を伺ったりもしていまして、その方々からも興味深い情報をたくさん頂きました。
心を許しあっているお仲間とわいわいはしゃぎながらの街道旅は、とても楽しそうですね。
山歩きや無舗装の道は、危険が伴います。くれぐれもお怪我にはお気を付けください。
ご無事をお祈りしております。
ベロめも管理人
二泊三日で、先日終わった地点から長崎まで走りました。嬉野でシーボルトの湯につかり、
豆腐料理をいただいてまったり。長崎方面は一般道は車が多くて自転車はたいへんですが、
国道脇の旧街道は車が少なくて、静かで、昔ながらの雰囲気がよくて、楽しめました。
嬉野の手前の山道は雨だったので私は一部パスしましたが、友人は泥だらけになりながらも
突破。武雄~嬉野の距離は短くても油断できませんね。大村湾は晴れて、きれいでした。
諫早の手前の山。押し歩き、がんばりました。下り坂も、この時期は路面に落ち葉が
びっしり重なってゴロ石が隠れているので押し歩きです。隠れ石を踏むなどして転んだら
一巻の終わり、笑われるだけですからね!
さて、あと一息で長崎、というところに日見峠が待ってました。冷たい冬の雨です。
(やむなく、どうしても行けそうもない箇所だけパス、いつか将来のために)
というわけで、小倉常盤橋から長崎終点まで一応の完走、です。
一緒に走った友人たちと3人で、長崎の中華料理店、夜の街へ。じつはこれも、
大きな目標でした(?)乾杯、二次会、三次会、と、楽しい夜!
こちらのサイトで、ていねいにご案内いただき、ありがとうございました。
またいつの日か、今度は長崎スタートでやってみたいです。
長崎街道の走破おめでとうございます!
Gaucheのコメントを読みながら、自分が走破した時のことを思い出していました。
数々の難所を雨の中走行するのは、かなり大変だったでしょう。
長崎街道を紹介している書籍やWebサイトで街道の良さを知ることも大事だと思いますが、実際に当時の道を歩いたり走ったりしますとまた違った視点から良さを知ることができると思います。
長崎スタートは良いかもしれませんね。逆方向から眺めることで、新しい発見がありそうです。
私も次挑戦するときは、長崎スタートを検討してみます。
本当にお疲れさまでした!
ベロめも管理人